日本でも、かつて押し入れというものがありました。
それに、フランスにいた時、やはり親たちが、「置いてっちゃいますよ」というセリフを言うのを何度も聞きました。
(ところで、海外って、どこのことだろう。アメリカ?ヨーロッパ?ヨーロッパならどこ?ロシア?中国?ニュージーランド?エジプト?それともマダガスカル?)
スェーデンでは、今、子どもを閉じ込めるのは法律で禁じられているそうです。
ということは、かつて、行き過ぎた親がいたということでしょう。
リンドグレーンが生み出した有名ないたずらっ子、エーミルは、いたずらをするたびに「木工部屋」に閉じ込められていましたね。
エーミルは、実在の男の子がモデルになったと読んだことがあります。
本の中では、あまりお父さんのことを好きではない様子。どんなに罰を受けても、やっぱりお父さんが好き、というのとは、ちょっと違っています。
(リンドグレーンの作品には、エーミルという男の子が二人出てきます。今お話ししているのは、いたずらっ子エーミルのことです。)
子どもの生活を、とてもよく理解していたリンドグレーン。時々、彼女の意見を聞いてみたくなります。
アメリカでは、子どもの誘拐がとても多いようです。だから、子どもたちだけで遊ばせたり、留守番をさせることは禁じられています。
アメリカの知り合いで、発達障害のお子さんをもった人がいました。子どもが時々叫びながら、一人で通りに出て行ってしまうことがあったそうです。
「子どもが一人でほったらかしにされている」と通報した人がいたらしく、一度警察沙汰になったとか。
場合によっては、子どもを返してもらうのに三か月くらいかかることもあるらしく、そうなると、トラウマも心配されます。
フランスではかつて、幼い子どもを家に残して、夜パーティーなどに出かけるのは、普通だったとか。今は連れていくか、誰かを留守番に頼むか、どちらかです。連れてこないよう、言われることもあります。
ちなみに、留守の間に家で子どもを見てもらうとき、フランスでは「baby-sitterを頼む」と、英語の単語を使って言います。(子どもが小学生になって、babyでなくなってもそう言います。)ということは、この習慣は、英語を使う国からやってきたものなのか。
ベルギーでもフランスでも、小学校中学年くらいまで、子どもが一人で学校から帰ることはありません。必ず親や祖父母、子守の人が迎えに行きます。
子どもが2日以上学校を休む時や、プールに参加しない時は、医師の診断書が必要です。(診断書をもらうにはお金はかかりません。ただし、パリで医者にかかるのは、子どもでもけっこうな金額になります。)
子どもを親の虐待から守るためでしょう。
一方、ベルギーでは、メトロの中で子どもに乞食をさせているのを何度も見ました。あの子たちには、誰が救いの手を差し伸べるのでしょうか。
フランスでは、えん罪もありました。虐待ではなかったのに、子どもが親から引き離されたり、無実の罪で投獄されたり。
日本でも、親の虐待や子どもをめぐる犯罪、交通事故が増えています。行方がわからない子どもも、かなりいるようです。