2017年6月25日日曜日

テロ等準備罪、海外の反応 - フランス、ルモンド紙

20175月27日付ルモンド 電子版
見出しは
日本、抑圧強化が懸念される法案を可決

内容を少し見てみましょう。
「テロや組織犯罪を防ぐという名目の下、日本政府は大変議論の余地のある法的弾薬庫を手に入れる」とあります。

「~の名目の下」はフランス語で
sous couvert de ...

例)
sous couvert de maintien de la paix
(平和維持という名目の下に)
sous couvert de la nuit
(夜に乗じて)

「法的弾薬庫」は面白い表現です。
「弾薬庫」はarsenal
兵器庫、武器庫、兵器工場などの意味も。
テロ等準備罪という法律は、政府の国民に対する武器、どころか、巨大な武器庫、武器の工場だというニュアンスです。

総理大臣、安倍晋三氏によれば、2020年に行われるオリンピックを前に、テロとの闘いに骨組みを与えるのは彼の「責任」だということだ。」
人権団体や日本弁護士連合会、ジャーナリスト、大学教授らによれば、新法を制定しなくてもパレルモ条約を批准することはできるという。

さらに、

国連の懸念
という小見出しの後、
国連の特別報告者、ジョセフ・ケナタッチ氏の518日付けの手紙の内容を紹介しています。
「何を『計画』や『準備』と見做すかが曖昧で、恣意的に適用される恐れがある」「テロや組織犯罪とは明らかに何の関連もない事柄が含まれている」

最後に、国連の意見に対する菅官房長官
の反応「明らかに不適切で、我々はこれに強く抗議する」を驚きをもって伝えています。

原文はこちら

テロ等準備罪、海外の反応 - アメリカCNN まとめ

アメリカCNN、6月15日付インターネット版
By Emiko Jozuka & Ben Westcott
”日本、テロ新法で自由抑圧と非難を浴びる”

この見出し、今テロ新法と訳しましたが、原文ではterrorismという言葉は使っていません。
terrorという言葉を使っています。

terrorというのはterrorism(テロ、テロ行為)よりもずっと意味が広く、元々は恐怖ということです。
見出しにこの単語を使ったことで、記者は、この新法こそが実は恐怖だというニュアンスを盛り込ませているのでしょう。
また、政府が恐怖を煽ってこの法律を正当化したという記述も出てくるので、含みのある表現です。

抑圧と訳した単語はstifle
抑えるという意味にもなりますが、窒息させるとか、息の根を止めるという意味にも使われます。
強く、具体的なイメージを持った言葉です。

本文では、
日本弁護士連合会からも国連の特別報告者からも批判を受けていたが、安倍晋三総理大臣が率いる過半数を占める連立政権により、可決されたとあります。
安倍氏が語っていることも紹介しています。
”「テロ準備を罰する法律が制定されました。」
「国民の命や財産を守るために、この法律を適切に、そして効果的に使いたいと思います」”
(これは日本語を英訳したものを再び和訳しています)

続いて、5月18日付の日本政府への手紙の中で、国連プライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が書いた内容を紹介。

”法案があまりにも幅広く、人々が「計画」したとして逮捕されうる犯罪があまりにも多岐に渡っている。
ケナタッチ氏は「何が犯罪の「計画」に当たるかの定義があいまいであり、恣意的に適用される恐れがあることに懸念を持っている。(・・・)法案に含まれている犯罪があまりにも多岐に渡っていて(・・・)テロや組織犯罪と何の関係もないものが含まれている。」と述べた。” 
「事実上警察権力を拡張することに」という小見出しの後には、

”新法は、放火から著作権侵害まで277の犯罪の計画を違法とする。”「事実上、人々を取り調べ、監視する警察権力の拡張につながります」という上智大学の教授の談話を紹介。

CNNの記事はまだ続きますが、ここで一言挟ませてください。

犯罪の準備段階で監視することができる、とだけ聞くと、何だか良いことのようにも思えます。
テロや犯罪を未然に防ぐことができたら、これほどすばらしいことはありません。
計画と実行では罪は違う(はず)だし、犯人にとっても、実行しないで捕まえてもらえればいいことではないか?
なんてね。

しかし、この準備とか計画って、どんなことを言っているのでしょうか。
すでに日本では、銃を所有することは禁じられています。
隠し持ってるだけで逮捕されます。
ナイフだって刃渡り何センチなどの決まりがあります。
火薬類取締法というものもあります。
毒物劇物取扱法とか、ウィキを見ても色々出てきます。

「犯罪の計画」と今回言われているのは、そういう明らかなことではないのですね。

だから国連の特別報告者も「あいまいだ」「恣意的な適用につながる」と懸念を示しています。

日本丸はどこへ向かっているのでしょうか。

最後の小見出しは、
"民主主義に手錠が掛けられる "

手錠をかける、原文はin hand cuffs
カフスから来た表現です。
直訳すれば「民主主義に手錠をかける」
民主主義を捕まえてしまう、という意味になります。

アジア学権威のキングストン教授がCNNに語った言葉です。

"「政府は市民の自由を抑圧し、民主主義に手錠をかけることを正当化するために、更なる恐怖を煽ってきた」と教授は語った。

「政府は警察権力を拡張し、民主主義社会においては犯罪とされないことを犯罪にしようとしている。」”

記事を原文で読みたい方はこちら。

http://edition.cnn.com/2017/06/15/asia/japan-abe-anti-conspiracy-bill/index.html

2017年6月17日土曜日

「その程度の国」とはどこのこと?


アメリカ、パリ協定から脱退。
暴挙。

と、どこかの財務大臣が
マフィアっぽい帽子に歪んだ口元、
ポケットに手を突っ込んで、
「その程度の国だということですよ」

え、どこが?

まあ、その程度の大統領だとは言える。

その程度の大統領が就任もしないうちに、ゴルフクラブを持ってはせ参じたのはどこの首相?

主人が犬に骨をやるというのはよくあるが、犬が主人に骨を持っていくたあ、あまり聞いたことがない。

「その程度の国」では、首を切られたFBIの長官が、上院情報特別委員会の公聴会で証言した。アメリカをもう一度greatな国にしたいと言ったのはトランプ氏だが、そのトランプ氏に忖度しないところなんざ、アメリカのgreatな一面じゃないか?

2017年6月16日金曜日

父の日のプレゼント

父の日のプレゼントと母の日のプレゼント。
どっちが選ぶの大変ですか。

よく、男性へのプレゼントは選ぶのが難しいと言いますが、
最近、父へのプレゼントを選ぶのが簡単になりました。

チョコレートを買いさえすればいいんです。

禁煙してから甘党になった父。

音楽も大好きだけど、今年はCDよりこっちの方が喜んでくれるかも♪


神戸のショコラティエなんですね。
綺麗なバッグに入れてくれました。
今日ばかりは、「袋、いいです」と言わないで、貰っていこう。


父の日にプレゼントを贈れることに感謝。

もう贈れない人もいる。

虐待とか受けて、贈る気持ちになれない人もいる。

その点私などは恵まれている。
若いときはずいぶん反抗もしたが、たっぷり反抗しておいたので、反抗し残したことはない。

良き父の日となりますように!

2017年6月14日水曜日

大統領に忖度しない国

最近思い出すのは、アメリカの大統領選直後に、カリフォルニアに住むアメリカ人の友人が送ってくれたメール。

トランプ大統領の勝利にかなりがっかりしているんじゃないかと思って、お見舞いメールを書いた私への返事だった。

大統領になったからって、そう好き勝手なことはできないさ。
僕のガールフレンドも泣いてるけどさ。
議会もあるし、司法もある。
周囲からのアドバイスも受けるだろうからね。

今になってみると、本当に友人の言った通りになったと思う。

イスラム諸国からの入国禁止令は、まず地方裁判所が差別に当たると判断し、控訴裁判所も地裁の判断を支持した。

このニュースを聞いた私は、うわっ、三権分立が機能してる!
と変な感心の仕方をしたものだ。 

国家権力を三つに分け、それぞれを独立したものとするのは民主主義の基本。
立法権は議会、行政権は内閣、そして司法権は裁判所にあり、例えば内閣が裁判所に圧力をかけることなどは禁止されている。

もちろん日本でもそう、のはずだ。
ところが日本では、これがなかなか理論通りには運ばない。

ところが彼の地では、ちゃんと教科書通りに動いているではないか。

友人は議会もある、と言っていた。
果たして、議会による閣僚の承認は遅れ、トランプさんもやりたい放題というわけにはいきそうもない。

アメリカにも陰の部分はある。
(どんな国にも持病がある、と私は思います)
アメリカの全てが素晴らしいなんて全然思わない。

でも、三権分立が機能しているという点では、アメリカはなかなかGREATではないか?

友人が最後に言った周囲からのアドバイスですが。
うーん、どうなんでしょうねぇ。
 

2017年6月12日月曜日

安倍首相のファミリービジネス

「晋三には『お父さん(故・岸信介元総理)がやり残したことを全部やったんだから、総理は辞めなさい』と言ったんです」

こう安倍首相のお母様はおっしゃったという。

やはり 、そうだったのか。

安倍首相の政治は、お友達ビジネスである前に、ファミリービジネスだったのだ。
そのお友達も、安倍総理とのお付き合いに一年で一億円使うというから、あまり純粋な友情とはいえない。

ウィキによれば、安倍首相は「幼い時から政治が身近にあった」と回想している という。
まだ心が柔らかな時から、一家のイデオロギーを叩き込まれたであろうことは想像に難くない。

1964年からの2年間は、平沢勝栄が家庭教師としてついていたという。
平沢勝栄といえば、年金を未納していたことでも有名だが、さらに名をあげたのは2016年、
匿名ブログが衆院予算委員会で取り上げられた時。
「誰が書いたんだよ、それ」「本人に確認したのか」などとやじを飛ばし、のちに、「申し訳なかった」と謝罪した。

一国の首相の幼年時代。
一つの思想しか語らぬ取り巻き。
年端も行かぬ時から、自分自身の考えをじっくりと育てる暇もなく、
一家の怨念を背負わされてしまった子ども。

彼はいつか、自分というものに目覚めることがあるのだろうか。
自分の人生は一体何だったのかと、自問する日が来るだろうか。

国民は、彼のファミリービジネスに付き合わされていた。