そしてそれは本当だ。
では他の国にはいじめはないかというと、他の国にもいじめはある。
ユニセフの「イノチェンティレポートカード11 先進国における子どもの幸福度」という調査を見ていて、ちょっと驚いたことがある。
「過去数カ月間に学校で1回以上いじめられたと答えた11歳、13歳、15歳の子どもの割合」というタイトルのグラフがある。
このグラフでは、日本は27.4%となっている。
比較対象となっている30カ国の中で、この数字は12位。
アメリカは日本と殆ど同じで27.5%。
ドイツ、フィンランドは何と日本より多く、それぞれ30%と30.1%。
フランス、34%、ベルギー37.7%である。
日本の子どもたちにした質問と、他の国の子どもたちにした質問はちょっと違っているようだし、 調査の仕方によっては違う数字も出てくるだろう。
フランスで子育てをした私にとって、「いじめられたことがある」と答えたフランスの子どもの割合が日本より多いのは、別に驚くことではなかった。
「いじめられたことがある」と答えた子はフランスの方が少し多いが、自殺にまで至るケースは、ニュースを見ているかぎり、日本の方がずっと多い。
これはどうしてなのか。
自殺さえしなければいいというものではない。
いじめられてトラウマを背負ってしまうことも少なくない。
ただ、取り返しがつかなくなるという意味で、とりあえずは自殺だけでも無くしたい。
だから、自殺するほど追い詰められてしまう苛烈な状況を無くしたい。
これから数回にわたって、私が自分の子どもを通して体験したフランスやベルギーのいじめと日本のいじめの違いについて、まとめていこうと思う。