2018年3月31日土曜日

ヴィーガンとベジタリアン - フランスではどう見られているか


フランスでのお家ディナーやホームパーティーについて書いたが、ベジタリアンやヴィーガンの場合はどうなるだろう。

念のためにベジタリアンとヴィーガンの違いを書いておくと、ベジタリアンは乳製品や卵は食べていいことになっているが、ヴィーガンはそれも駄目ということ。
絶対菜食主義とか完全菜食主義と訳されているようだ。

また、動物を「搾取」する活動を拒否しているので、ハチミツやゼラチン、革製品、絹、羊毛もご法度。

フランスでお家に招かれた場合、「私はヴィーガンです。」とか「マクロバイオティックをやってます。」と言いたいならよほど覚悟を決めておく必要がある。

もちろん招いてくれた人がヴィーガンなら話は別だが。

日本では何となく野菜だけ食べてるからヴィーガンだと思っているかもしれない。
が、フランスではヴィーガンと言えば畜産や酪農を否定している人だとも取られかねない。

牛が草を食んでいる光景を美しいと思うフランス人、チーズ作りに命を懸けているフランス人にとって、これはとんでもないことである。

ではベジタリアンならいいかと言うと、ベジタリアンに対する風当たりも優しくはない。
ヴィーガンが現れてからは、「ベジタリアンの方が真っ当だ。」という評価もあるが。

アレルギーがあるとか、癌を患っているとか、何か具体的な理由がある場合は別として、招かれたときに「私ヴィーガンです。」と言うのはフランスでは具合の悪いことである。

特にヴィーガンの両親が赤ん坊を栄養失調で死なせてしまうという事件が起きて以来、ヴィーガンは良く見られてはいない。

日本では欧米と一括りで考えることが多いが、ヨーロッパとアメリカが違うのはもちろん、ヨーロッパの内部でも様々な違いがある。

マクロバイオティックやベジタリアンのレストランはパリには少ないし、ヴィーガンにしても同じことである。

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2018年3月30日金曜日

一週間に一回は休むということ - 欧米で休むことが大切なもう一つの理由


前のブログで、欧米人が古くから休みを大切にするのには宗教的な背景があると書いた。

現代社会の中では、事情はちょっと違う。

人間らしい生活を送るためでもあるし、家族のためでもあるとはよく言われるところだ。

が、実は自分や家族、自分の会社のためだけではない。

他の会社や店のため、さらにはお客さんのためでもある。

パン屋を例にとれば、フランスの都市部には30歩ごとにパン屋があり、顧客をめぐって争っている。

もしその中の一軒が規則を破って休みを取らなかったら、他のパン屋と公平な条件で争っているとは言えなくなる。

フェアじゃないということだ。

そのパン屋は休みを取らなくても幸せなのかもしれないが、そのせいで他のパン屋も休みを取れなくなる可能性が出て来る。

一軒のパン屋さんのせいで、業界全体が働き詰めとなってしまうかもしれない。

同じような理由から、セール期間にも厳しい規制があった。

リーマンショック以前のフランスでは、セールは夏に一回、冬に一回と決められていた。

四六時中セールをする店があったら、業界全体で値段が下がりすぎてしまう可能性がある。

その結果閉店に追い込まれる店が出たら、消費者にとっても不利益があるというわけだ。

リーマンショック以降この規制は緩められていたようだったが、今はどうだろうか。

休むことは怠けることではなく、フェアーなことである。

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2018年3月28日水曜日

フランスでお家に招かれたら何を着ていく?


ディナーやアペリティフの時は普段の服装で大丈夫だが、パーティーに招かれた場合は、どんな服で来てほしいのかも聞いた方がいいかもしれない。

招いてくれる人がちょっとシックなパーティーにしたいのか、ジーンズで行ってもいいのかということである。

(今はシックなジーンズもあるけど。)

庭でイワシのバーベキューをするようなラフなパーティーもあれば、いつもよりドレスアップしたパーティーもある。

シックといっても、わざわざそのために服を買う必要はない。

一般的には気取らないのがお勧め。

手持ちの服やアクセサリーでシックに見える工夫をすればいいのである。

とっておきのアクセサリーやスカーフがあれば、それを身に着ける良い機会ともなるだろう。

ただ、場所によっては、パーティーに着く前に盗まれてしまうかも。

欧米の都市は、安全な区域と犯罪の多い区域が日本よりはっきり分かれている。

知人の若いフランス人男性が実際に体験した話。

おしゃれな彼は買ったばかりのかっこいいブーツを履いてパーティーに行った。

しかし途中で脅しに遭って取られてしまい、会場に靴下で着くことになった・・・

高価なモノや高価に見えるモノを身に着ける時はお気を付けを。

真珠のイミテーションも東洋人が付けているとホンモノに見えてしまうと聞いたことがある。

大人の仮装パーティーはフランスでは珍しいが、たまにはある。

別に大げさなことをする必要はない。

もし良いアイディアが浮かばなかったら、街でプラスチックのお面を買っていけば十分である。

もちろん会場に着いてからお面を着けること。

公共の場所で完全に顔を隠すと警察に呼び止められるかもしれない。
 
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2018年3月26日月曜日

2018年のイースターは4月1日の日曜日


もうすぐイースター。

キリストの復活を祝う日。

キリスト教ではクリスマスより大切な日だと言われている。

が、ヨーロッパでも、庶民にとっては家族が再開するクリスマスの方が大切なようだ。

プレゼントを貰える子どもたちにとってもそうだろう。

そしてなんと!
歴史家や聖書研究者によれば、イースターの起源や卵を用いる祝祭は、複数の「異教」(キリスト教以外)の神話や習慣に遡るそうだ。

古代の人々には、冬と言う死の季節の後で、春に自然が復活するように見えたのではないか。

キリスト教というと、かつて異教に対してとても厳しかったというイメージがある。
が、実は異なるものと影響しあって発達してきたということなのだろう。

恐らくはどんな文化も他の文化との影響の中で発展してきたのではないか。


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2018年3月25日日曜日

日曜日に休むとはどういうことか - 欧米人にとって日曜に休むのが大切な理由の一つ

日曜日は最も素晴らしい発明の一つだと思う。

職種によっては日曜日に休めない人も多い。
とはいえ、殆どの人が他の曜日に休みをとることができる。

かつて日本は七つの曜日からなる週というものが無かった。
盆と正月、そして祭りの日以外毎日働いていた人が多かったはずだ。

週という概念自体は、唐に留学した僧によって平安時代に紹介されていたという。が、毎日の生活の中で使われることはなかったようだ。

明治にグレゴリオ暦が導入されてから、一週間7日のリズムが日本人の生活に取り入れられた。

考えてみれば、日本人が週一回休むようになったのはそんなに古いことではない。

ご存知のように日曜日に休むという習慣はキリスト教から来ている

聖書の創世記によれば、神は6日の間世界を創るという仕事をし、7日目に休んだとある。

つまり、日曜日に休むのは、かつては信仰の証でもあった。

そうしないことは罪深いことだったのである。

さらにイエスが日曜日に復活したことで、日曜日が一週間のはじまりとなった。
(それを記念するのがイースターですね。)

休みは聖なるものである。

その日は主人も休むが、使用人も休ませなければならない。

家畜も休ませ、畑も休ませる。


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2018年3月24日土曜日

フランスのパン屋、働きすぎで罰金 - 複雑な二つの事情


フランスのあるパン屋さんが法律で定められているように週休を取らなかったということで、罰金3000ユーロを命じられた。

1ユーロ131円として393,000円。

このニュースに対して「なんかフランス的」という反応をする人もいるけれど、事情はそれほど単純ではない。

複雑な事情その1)

フランスに旅行に行った皆さんは、カフェやレストランの休日をあまり気にしなかったのでは。

週休を取るレストランももちろんあるけど、毎日開けてるところも多い。

肉屋さん等にもそんなに厳しくはないそう。

つまりパン屋さん特有の法律だとわかる。

複雑な事情その2)

このパン屋さんがあるのは住民数2000人というから、小さな町どころか村のようなところ。

毎年夏になると観光客が訪れるので、夏は例外的に稼げる季節。

例年夏に週休無しで営業する特別許可を貰っていたが、昨年はそれを更新することができなかった。

それでも店を開いていたため、今回の処置となった。

不思議なのはむしろ、なぜ今年だけ許可が貰えなかったのかということである。

フランスは少子化対策が比較的うまく行っていると言われているが、人口減少に苦しむ自治体もある。

ある村では最後のパン屋が引退してしまい、住民が変わりばんこにパン屋をやることにしたと言う。

夏のかき入れ時にできる限り稼がないと生き残れないパン屋もある。


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2018年3月22日木曜日

フランスでお家に招かれたら - パーティーの場合 - ディナーと違うのはどんなこと?


前に、フランスやベルギーでは家に招かれる場合3つの形態があると書いた。

アペリティフとディナーについては詳しく書いたので、今回はパーティー(フランス語でフェット)について書こうと思う。 

ディナーは自分の席が決まっていて、アントレ、メイン、チーズ、デザートと順序正しく進んでいく。

そして全員が揃うまでアペリティフをつまみながら待つ。

パーティーの場合は歩き回って話したい人と話せるのが普通である。

お客さんの人数も多い。

全員が揃うまで待つこともなく、人が集まり始めたら順次つまみや料理を出していく。

料理が回ってきたら、自分が好きなものを取り、欲しくないものは取らないでいい。

ディナーの場合は何時頃に来てくださいと言われるが、パーティーの場合は何時頃に始まりますと言われるのが普通。

大体終電まではやっているので、自分の都合のいい時間に行けばいい。

招かれたら、やはり「何か持って行きますか。」と聞くのがいいだろう。

大抵はワインなどの飲み物を持っていくことになる。

料理を持ち寄る場合もあるので、その場合は何か作って持って行くと喜ばれる。

仕事から直行などの理由で作れない時は、デザートや果物を買っていくのがお勧め。

持ち寄りのパーティーを開くのは、主に学生など若い人の他、親しい者同士の場合が多い。

子どもの誕生日パーティーは別として、パーティーだからといって家に特別な飾りがあるとは限らない。

みんなで集まってたっぷりおしゃべりしたり、新しい友人を見つけるのがパーティーの楽しみなのだ。


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2018年3月21日水曜日

元フランス大統領、サルコジ氏拘留される


3月20日、フランス時間の朝、サルコジ元大統領が取り調べのために勾留された。

正確に言うと逮捕ではない。まだ。

疑惑の選挙選は2007年のことだったから、11年経っているわけだ。

実は選挙直後から選挙資金については黒い噂が立っていた。

リビアの独裁者カダフィから資金援助を受けていたと。

それは「みんな言ってた」ので、そのまま野放しになっているのが不思議なほどだった。

それとも結局噂だけだったのかな?と。

大統領を辞めてからも再出馬が取りざたされていたくらいだから、もううやむやにされてしまうのかと思っていた。

これから何が明らかになるのだろう。

(画像はイメージです。)


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2018年3月19日月曜日

日本の民泊とヨーロッパのベッド&ブレークファスト


かつて日本を旅行する欧米人によく聞かれたものだ。
「日本は宿泊費が高いね。ベッド&ブレークファストとかゲストハウスみたいなのは無いの?」

彼らは遠くからやってくるし、旅行といえば短くても一週間が普通だから、一泊にかかる料金は安い方がいいに決まっている。

日本に旅行したいけど高すぎて行けないという声も聞いたことがある。

日本にも民宿やペンションはかなり前からあるけど、二食付きが普通だった。

あるフランス人のカップルは、旅館に泊まったら夕食が早くて、夜中にお腹が空いて困ったと言っていた。

最近は素泊まりできるところや朝食のみでもOKというところが増え、束縛されない旅ができる。

それでも宿が足りなくなりそうだから、民泊を始めるのだろう。

始めのうちは色々なトラブルもあるかもしれない。

すでに無届け民泊が横行しているそうだ。

フランスにいた頃は、さんざん民泊に泊まったものだ。

正確に言うと、民泊とは言えないかもしれない。

フランス語で chambre d’hote (シャンブル・ドット) と呼ばれ、私の経験では主人は必ず敷地内にいた。

その点では民宿とかペンションに近い。

民宿などは簡易宿所として旅館業法の許可が必要だそうだが、chambre d’hote の規模は実に様々で、客室が一つだけというところもある。

一般の人が空き部屋を利用して開業できるということや、基本的に夕食が付かないという点では民泊と似ている。

英語のゲストハウスやベッド&ブレークファストに当たるのだろう。

お客さんにたくさん来てもらうためには、chambre d'hote は清潔で素敵でなければならない。
日本では「プチホテル」として紹介される場合もあるようだ。

が、現地で「 petit hotel (プティトテル) はありませんか。」と聞いても、フランス人は chambre d’hote を思い付かないだろう。

hotel と chambre d’hote は区分が違うのである。

「hotel じゃなきゃだめですか。chambre d’hote では?」と聞かれるかもしれない。

今はトリップアドバイザーなどで、ホテルだけではなくゲストハウスの口コミや写真を見ることもできて便利になったと思う。


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2018年3月17日土曜日

水は清いものである日本と濡れたままのテーブルに耐えられないフランス人


フランス人と日本を旅行していた時のこと。

小さな食堂で、私たちが席に着いた時まだテーブルが拭いてなかった。
昼食どきで忙しく、手が回らなかったのだろう。

連れのフランス人が拭くように言ってくれと言うのでお店の人にお願いすると、すぐ台拭きんで拭いてくれた。

するとフランス人は言った。
テーブルが濡れているじゃないか、と。

そう、台拭きんで拭いた後のテーブルは薄っすらと濡れている。

日本人は拭いたんだから綺麗だと思うが、多くのフランス人にとって濡れているのは良くないこと。

もちろん、すべてのフランス人がそのような反応をするわけではない。

ただ、フランスではテーブルは2回拭くのが普通である。

一度目は固く絞ったスポンジで汚れを取り、二度目は乾いた布巾で水分をぬぐう。

スポンジを使うのが汚いと感じる日本人も多いようだ。

でも試してみると、スポンジは汚れを取るのに確かに便利。

テーブル拭き専用のスポンジを用意しておけば、汚くはないんじゃないかな。

スポンジと布巾で二度拭きしたテーブルの表面と、台拭きんで拭いた後のテーブルの表面と、どちらが実際にばい菌の数が少ないのか、私は知らない。

もちろんスポンジや台拭きんの清潔さにもよるだろう。

ばい菌の数はともかくとして、フランス人の多くは洗って水滴が付いたままのコップも嫌うので、水を信用していないのだと思う。


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2018年3月15日木曜日

フランスでお家に招かれたら - 果物の食べ方で日本と違う二つのこと


フランスのディナーについての記事で、食後はチーズの後、デザートとしてフルーツかスイーツが出ると書いた。

テーブルでフルーツを食べるときの習慣の違いは、果物の種類にもよるが、

1 日本では切ってそれぞれの皿に分けた後で客に出すが、欧米では洗って水気を取った数種類の果物を大皿に盛り、好きな果物を選んで自分の皿の上で切るということ。

リンゴを頂きたいけど一つでは多すぎると思ったら、「誰か半分シェアしませんか。」と聞けばいい。

フランスには今でも貴族という人たちがいる。
その一人に聞いたところでは、かつてお行儀のいい人はオレンジを食べる時、一度も手を触れないでナイフとフォークで上手に食べたとか。

今は貴族でも普通そんな食べ方はしない。

2 日本人はブドウの皮と種を残すが、多くの欧米人は皮も種も食べる。ただし、彼らは魚の皮は食べない。

ブドウを取り分ける時は大きな房から一粒づつ取るのではなく、小さな房を切って自分の皿に取ってから一粒づつ食べる。

皮や種を食べるのが嫌なら無理をすることはないだろう。

もちろん、種をぺっと出すのは日本同様NG。

ブドウの皮にも魚の皮にも体にいいものが沢山あるそうだが、欧米人も日本人もその一方しか食べてないということ。

ブドウの種も、最近シードオイルなどが健康に良いということで注目されているが、そのまま食べたら苦い。
フランス人は食べたブドウの種を噛んでいるんだろうか。
それともそのまま飲み込んでいるんだろうか。 
今度聞いてみようかな… 

種無しブドウも出回っているが、日本の種無しブドウのように小さなものは、私は見かけなかった。 

種無しブドウは不自然で、種のあるブドウの方が美味しいと思っている人もフランスの大人には多いようだ。 

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2018年3月13日火曜日

ヨーロッパのおもてなし - ディナーに招かれたら気を付けるべき二つのこと


気を付けるべきことその1) ディナーに8時に招かれた場合、8時にお腹ぺこぺこで着くのは避けよう

着くとまず飲み物とツマミを勧められる。

「何が飲みたいですか。」と聞かれたら、そこにあるもので好みのものを頼めばいい。

コーヒーとかお茶は普通頼まない。
お湯を沸かさなければいけないし。
どうしても欲しければ、丁寧にお願いしましょう。

とりあえず水が飲みたければ、水を頼んでも大丈夫。

で、ディナーの場合、客の全員が揃うまで食事は出ないのでそのつもりで。

9時や9時半になるのは当たり前。
それまでオリーブやナッツなどをつまみながら待つ。

オリーブもナッツも健康にいいことは確かだが・・・
何と申しましょうか・・・

全員が揃ってからもオシャベリが続くこともある。

まぁ、ディナーはみんなでいいコミュニケーションを取るためのものだから。

だから、8時と言われて8時にお腹ぺこぺこで着くのは避けよう。

気を付けるべきことその2)  だからこそ、自分が大幅に遅れるから先に始めて欲しい場合は必ず電話で言っておくこと。

それでも待たれてしまうことも。

招かれたときに遅れることがわかっていたら、遅くついてもいいかどうか聞くこと。

途中で気づいた場合はその時に電話。

極端な例では、11時に食べ始めたという話もあった。

まぁフランスでもそんなことは珍しく、私は幸いなことにそんな「ひどい目」に遭ったことはないが。

東アジアでは時間通りに来た人を待たせるのが失礼だが、フランスでは皆が揃ってないのに先に始めるのが失礼なのである。

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2018年3月12日月曜日

ヨーロッパのおもてなし - ディナーに招かれたら確かめるべき4つのこと


フランスやベルギーで夕食、ディネに招かれるのは、8時頃が多い。

が、8時に客の全員が揃うことはまずない。

早目に着いてしまうと相手が焦るので、8時10分から8時半を目安に行くのがおススメ。
(もちろん、遅れないで来てねと言われたら話は別。)
  
ディナーに限らず、招かれた時に確認すべきは次の4点。

1 場所(当たり前か)

2 日時(これも当たり前)

3 何か持ってきて欲しいかどうか

普通は「飲み物でも」と言われるのでワインや冷酒を持っていく。
デザートや上等なチョコレートを持っていくこともある。
招いてくれた人が女性の場合や奥さんがいる場合は、花束を持って行ってもいい。

4 他に誰か誘ってもいいかどうか

パートナーと一緒に招かれるのが普通だが、わからない時は確認。

子どもは普通、ベビーシッターに預ける。
それができない場合は事情を説明して丁寧に断る。

ヨーロッパでは、昼夜に限らず小学生を子どもだけでお留守番させることはない。
何があるかわからないから。

子どもを連れておいでと言われたら、遠慮せずに連れて行ってOK。

親しい場合は、こちらから連れて行っていいかどうか聞くこともできる。

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2018年3月10日土曜日

ヨーロッパのおもてなし - 留学生の場合


ヨーロッパでは自宅に招くのが最高のおもてなしだといっても、狭い部屋に一人で暮らしている学生が無理に社会人を招くことはない。

招かれたら招き返すのがルールとはいえ、学生が目上の人に招いてもらった場合は別。
相手は招き返されることを期待してはいない。

その辺は日本と同じで、できればいつか恩返しをすればいい。 

それでも友人達を招くためにスペースを確保する留学生もいる。

一人で広いアパルトマンを借りるのは高くつくが、二人でシェアすればかなり費用は抑えられる。

一人用の住まいを二つ借りるより、場合によるが、寝室二つ+リビングダイニングのアパートを借りた方が安く済む。

フランスやベルギーのアパートには廊下というものがあまり無い。
友達同士でシェアした場合、しょっちゅう相手の部屋を通らなければならないのはストレスになる。
間取りに気をつけるのが上手くいくコツの一つ。

パリの真ん中でアパルトマンをシェアしていた二人の男子留学生を知っているが、二人ともとても満足していた。

二人は別々の国から来ていて、パリで知り合ったらしい。

一人は料理が得意だったので友人を招いてくれることも多く、楽しい思い出が残っている。

一方が先に留学を終えて帰国したが、残った方は引っ越すことはなく、別のルームメイトを見つけた。

きっと快適だったのだと思う。

ロンドンはパリより家賃が高いと聞いたが本当だろうか。
多くの若者が住まいをシェアしているのは確からしい。

日本でもシェアハウスという言葉を聞くようになった。

工夫によって困難を楽しみに変えるのは素敵なことだと思う。

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2018年3月9日金曜日

福島県富岡町で小学校再開

今朝のテレビで福島県富岡町の小学校が再開されるというニュースを見ました。

16人の児童が通学予定とのことです。

校長先生は「16人しか、ではなく、16人も来てくれる。」とおっしゃっていました。

そんな風に言ってもらうと、入学する方もきっと嬉しいですね。

楽しく安全な学校生活でありますように。

2018年3月8日木曜日

ヨーロッパのおもてなし - 家に招かれる時の3つの形式


フランスやベルギーでは家に人を招く場合、大体次の3つの形式がある。
マナーに外れないためにも、お腹ペコペコにならないためにも知っておくと便利。

1 アペリティフ 
2 ディナー(フランス語でディネ)またはランチ(デジュネ)
3 パーティー(フェット)

今回はアペリティフについて。

「アペリティフに寄って。」と言われた場合、食事は出ない。
食前酒にワインなどを飲み、ツマミを食べながらオシャベリという感じ。

7時頃始まることが多く、9時頃まで続くこともある!

アペリティフに限らず、招いた人が「今日はこれでお開き。」と言うことは基本的にはない。 
だから、招かれた人が席を立つまで続く。

場合によっては、客の一部はアペリティフに招かれただけで、残りの客はディナーまで残るということもある。

では、アペリティフに呼ばれた時は長居は無用かというと、そうでもない。

フランスやベルギーでは、客が早く帰ると招いた方はガッカリする。

事情があって早く帰らなければならない時は、予め言っておいた方がいい。

子どもが小さければ、子どもを寝かしつけなくちゃいけないので、というのが使える。

「明日早いので」という言い訳は聞いたことがない。

明日早いのは皆同じ。

社会人なら、終電まで飲んでいて翌朝早くからバリバリ働くのは当たり前とされる。
(アペリティフの場合は終電までというのはありませんが)

ただ、無理にアルコールを飲む必要は全くない。

1滴も飲めないなら、予め言っておくこと。

もう飲みたくないなら水を頼めば良い。

フランス人でも飲めない人はいる。 

自分が飲めなくても、招かれたらワインや冷酒を持って行こう。 
ジュースなどノンアルコールドリンクを一緒に持っていってもいい。 

一般に、みんながワインを飲んでいるときに、お湯を沸かすのが必要なお茶やコーヒーを頼むのはやめた方がいい。
ノンアルコールなら水かジュースにしておこう。

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2018年3月6日火曜日

日本のおもてなし、ヨーロッパのおもてなし


フランスから日本に来たけっこう有名な某アーティストが、ある日親しくなった東京の美術館の人に食事に招待された。

彼は思った。
「お、珍しいな、日本で。」 
彼は期待した。
そしてがっかりした。

なぜか。
彼はとてもいいレストランに招待されたのに。

最近日本でおもてなしという言葉が使われると、観光の場面であることが多いようだ。

フランスやベルギーでは、最高のおもてなしとは自宅に招くことだ。

貴重な時間を割いて何を出すか決め、材料を選び、自分で料理を作る。
家族と自分の個人的な空間に相手を招き入れる。
自分の家族を相手に紹介する。
相手の連れ合いも必ず一緒に招く。

高級なものを出す必要はない。
場合にもよるが、一般的には普段の食事+アルファで十分である。

くだんのアーティストもそれを期待したようだった。
今度こそレストランではなく家に招待されるんだ、と思っていたのに当てが外れたということだろう。

フランスやベルギーでは、若者からお年寄りまで、親しくなった人を自宅に招かない人は珍しい。

一人暮らしで狭い部屋に住んでいる場合、「うちは無理だから今度姉の家に来て」とか
「うちはほんと狭いけど、元妻が出張のとき子どもの世話をしに行くから元妻の家に来て。」
とかいうパターンはある。

もちろん元妻も子どもたちも承知の上だ。

行ってみると他にも何人も人が来ていて、楽しい出会いがある。

招かれたら招き返すのがルール。
招かれっぱなしは評判が悪い。

例外は学生くらいのもので、留学して狭いアパルトマンに住んでるのに無理して招くことはないと思う。

ただ、学生同士で集まるということはよくあるようだ。

もちろん、あまり知らない人を一人暮らしの部屋に招いてはいけない。

自宅に招くのが一番のおもてなしだというのは、信頼を示しているからでもある。

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2018年3月5日月曜日

瀬戸内寂聴さんの素直さに感動 -4-


ヨーロッパで会ったBさんのお母さんは、夫と別の男性が好きになってしまったらしい。
が、未成年だった子どもたちから離れることはできないと感じていた。
そこで、外国に住んでいたその男性と頻繁に電話で愛を語っていた。
お母さんは子どもたちが成人するのを待って、夫と離婚。
好きだった男性と再婚した。

やがてBさんも結婚したが、その結婚は母親を含め周囲の人々を驚かせた。
あまりにも不釣り合いな二人だったのだ。

もちろん、周囲から不釣り合いに見えても本人同士は愛し合っていることもある。

が、Bさんはすぐに離婚してしまった。

後でBさんは、「自分を罰しなければいけないと感じていた」と話した。

(自分を罰するために結婚されてしまった相手も迷惑)

Bさんのお母さんは子どもたちの前で男性と電話していたわけではない。
それでも子どもたちは、お母さんが自分たちのためだけに結婚生活を続けていると肌で感じていたのだろう。

子どもの感性を甘く見ない方がいい。

自分がいなくなったら子どもはどうなるか。
大人としてそれは当然考えるべきだろう。
子どものまともな生活が保障されないのに感情のままに飛び出すことはできない。
相手が大人の場合とはわけが違うのだ。

が、留まることを選ぶなら、その責任を子どもの小さな背中に負わせるのはやめた方がいい。
未来に禍根を残さないために。 

「私の真似は絶対しないで。」
という瀬戸内寂聴さんの率直さには感動を覚える。
だが、瀬戸内さんと真逆の行動をとればいいのかというと、事はそんなに単純でもない。


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2018年3月4日日曜日

瀬戸内寂聴さんの素直さに感動 -3-


子どもを手放してまで離婚することを選んだ場合と、子どものためを思って踏みとどまった場合と、どちらが子どもにとって良いかわからないと書いた。
それは様々なケースを見たからだ。

Aさんの場合。
Aさんの母親は子どもさえいなければこんなこともできた、あんなこともできたと思い続けていた。

Aさんはお母さんが大好きだったので、いつもお母さんのことを気の毒に感じていた。
同時に、お母さんが自由に生きるのを妨げている自分のことを悪い子だと思うようになった。

お母さんはもちろんそんなことを望んではいなかっただろう。
お母さんはAさんのことをかわいがっていたし、虐待したわけでもない。

しかし、有名大学を出てからも、Aさんは自分に全く自信が持てなかった。
自分が存在していることを申し訳ないと、半ば無意識に思い続けていたのだ。

これは日本での出来事だけど、似たようなことは世界中にあるのではないか。

『二人のロッテ』を書いたケストナーの言葉で次のようなものがある。

「親が離婚して不幸になった子どもは多いが、親が離婚しないために不幸な子どもはもっと多い。」

『二人のロッテ』の作者としては意外な言葉だ。
この物語は、離婚した両親を再び結びつける子どもたちの話だから。

でも、心当たりがある人は多いと思う。

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2018年3月3日土曜日

瀬戸内寂聴さんの素直さに感動 -2-


そう、瀬戸内寂聴さんの生き方は私には関係ないと言えばない。
が、私もかつて子どもだったし、今は親となっている。
子どもの時もいろいろ感じていたし、今、親として自分の子ども時代を思うこともある。

周囲にも様々な親子がいる。
考えることはいっぱいある。

子どもが幼いとき選択をするのは常に親で、幼い子どもには選択はできない。
親は、自分の選択を自分で引き受けるしかない。
それが本当に正しい選択だったのかどうかは、何十年も経たないとわからないのかもしれない。

何十年経ってもわからないかもしれない。

色々な親子を見てつくづく思うのは、子どもを置いて家を出た人と、「子どものために」と思って踏みとどまった人と、どちらが子どもにとって本当に良かったかわからないということだ。 

他に世話をする人もいないのに子どもを棄てて飢えさせるのは言語道断だけれど。

どんな子も親が好きだ。

そしてどんな親も不完全だ。

これは考えてみると恐ろしいことだ。

親は幼い子どもの上に絶大な影響力を持ってしまっている。

そして、親が親なりに子の幸せを願うように、子どもも子どもなりに親の幸せを願っているものだ。

幼い子どもは親との一体感が強く、親の心の動きに敏感な子が多い。

その結果どうなるかというと。

親が自分のために犠牲になっていると感じると、子どもなりに罪の意識を背負い込んでしまうこともある。

それが性格形成や将来の子ども自身の選択に影響を及ぼすこともある。

だから、大人は自分の選択なり決断を子どもの背中に背負わせないことだ。


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2018年3月2日金曜日

瀬戸内寂聴さんの素直さに感動 -1-


先日あさイチに瀬戸内寂聴さんと秘書の方が出演していた。

再放送もされたので、ご覧になった方も多いと思う。

有名な作家の言うことに一々感心したり納得したりする必要は全くないとはいえ、
「何て素直な方なんだろう!」
と思わず感動してしまった。

それは、視聴者からの相談に応えて、瀬戸内さんがご自分のお嬢さんについて話された時のこと。

「私は何も後悔することはないけれど、(当時4歳の)娘を置いて家を出たことだけは後悔している。
私の真似は絶対しないで。」

私には瀬戸内さんの真似をする甲斐性もないし、他の男性と付き合いながら家庭を維持する甲斐性もないから、関係ないと言えば・・・ない。

が、自分を全く正当化しない彼女の姿に胸を打たれた。

こんなに潔い人は本当に珍しい。

人生は選択の連続で、皆何かしら自分で選択している。
ただ、それを認める人は少ないかもしれない。

自分で選べないことも確かにある。

事故や犯罪、災害、リストラ、配置換え、病気、冤罪、パワハラ、セクハラ、弾圧、経済的理由など。

それらと比べたら、家族との生活を優先することは自分の選択だし、結婚生活を打ち切るのも選択なら、続けることもまた選択である。
自分は続けたいのに相手がどうしても辞めると言えばそれは相手の選択で、相手にも選択の権利はある。

感動したことはもう一つ。

瀬戸内さんは自分の心に嘘をつかないことを選んだが、同時に、そのために犠牲にしたものがあると自覚している。
しかもそれを隠したり取り繕ったりしないということだ。


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