2013年12月16日月曜日

「フレンチ・ポテト」にご用心

20年くらい前の話になりますが、まだ日本に住んでいて、フランス語の夏期講習のために、ランスというフランスの町に滞在していた時のこと。

ベルギー人の18歳くらいの女の子と親しくなりました。彼女はベルギーのオランダ語圏に住んでいるとのことで、やはりフランス語の勉強のためにランスに来ていました。

かといって、彼女は、フランスが好きというわけではありませんでした。

「ベルギーをフランスの一部だと思ってる外国人がいるからいやになる。」

なるほど。大国に隣にある小国の悲哀でしょうか。イギリスの隣のアイルランド、オーストラリアの隣のニュージーランド‥

「『フライド・ポテト』はベルギーの発明なのよ。それを、アメリカ人は『フレンチ・ポテト』と呼ぶんだから。」

この辺のベルギー人の気持ちがわかっていないと、お世辞を言おうとしてフランス文化を褒め、ベルギーの人にソッポを向かれるということになります。

マンガ『タンタン』も『スマーフ』もベルギー生まれ。シャンソン歌手では、ジャック・ブレル。詩人ならアンリ・ミショー。画家のマグリットやヴァン・ドンゲン。メグレ警視のシリーズで有名な作家シムノン。

フランスでは、「いいフランス人は皆ベルギー人だ」という言い方があるそうです。「ああ、あの人もベルギー人なのか」と、フランス人でさえ、新たに発見することがあるのでしょう。

それに、隣り合わせた二つの国は、確かにずいぶん違っているのです。

どんなところが違っているのかは、また今度。

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