「日本の学校はお休みが少ないんでしょう?」
「まあね。でも、年間の授業数を比べると、日本の小学校の授業数は、フランスやベルギーよりずっと少ないのよ。」
フランスでは、幼稚園の時から中学生並みの時間割です。
授業がある時はいっぱい詰め込まれて、バカンスになると2か月間何もないというプログラム。フランス本国でも疑問視されています。
教科にもよりますが、やはり、勉強は、少しづつ、たゆまずにやらないと身に付かないようです。
バカンスを短くすることには、教職員の団体も賛成しています。2か月はいらない、というわけです。
反対しているのは観光業界。夏休みが短くなって、儲けが少なくなるのを恐れているそうです。
こんなことを話しながら歩いていく途中、青い朝顔に魅せられ、シャッターを切る彼女。
朝顔の原種のようなものはベルギーやフランスにもあります。でも、栽培はされていません。大輪の朝顔が壁一面に広がっているのを見たのは初めてなのでしょう。
学校に着くと、彼女たちはまず、校庭の大きさにびっくり。プールがあるのに、またびっくり。
ベルギーでもフランスでも、学校からバスに乗ってプールに行っていました。その時間は当然ロスとなります。
ただ、ベルギーでは雨が多いので、室内プールに行けるのはよかったです。一年中水泳の授業がありました。
「今日は授業の後でクラブ活動があるから、それも見られるね。」
私は、クラブ活動についてかいつまんで説明しました。フランスにもベルギーにもクラブ活動はありません。
スポーツや音楽をさせたい場合、学校とは別に通わせる必要があります。もちろん、全ては有料です。例外は、ベルギーの無料の音楽院でしょう。
学校の先生がクラブ活動にも携わっていること、授業の準備や生徒指導で遅くまで学校に残っていることを話すと、彼女たちは声を失いました。
フランスの小学校では、教師は、ほぼ子どもたちと同時に、そそくさと学校を去っていました。
小学生の場合、保護者かベビーシッターが学校まで迎えに来ることになっています。保護者への生徒の受け渡しを、先生ではない職員がする学校もあります。その場合、教師は生徒より早く学校を出ることもよくあります。
夏休みに学校に出てくる先生は一人もいません。もっとも、生徒も来ませんが。
友人は、日本の教師の労働条件を心配していました。
私も時々心配になります。
毎日遅くまで学校に残っているようですし、部活の試合の時など、休日の一日を割かなければなりません。
子どもの教育は、社会にとって最も大切なものの一つでしょう。
それに直接携わる先生が疲弊しないように、また、教育に集中できるようにしてほしいものです。