2017年4月17日月曜日

ヤマト運輸「アマゾン即日配送」撤退で見えてくるもの


驚いたのは、報酬が歩合制だということ。

つまり、一つ配達できたら何百円支払われるというシステム。
受取人が留守で配達できなかった場合、何度行っても報酬にならないということです。

フランスに住んでいたとき、やはり配達人が歩合制で支払われていると聞いて驚愕したものです。

フランスでも辞める人が多く、ごまかす人まで出ました。

日本では年賀状を大量に捨ててしまった配達人がいて問題になりましたが、フランスでは、荷物を配達したことにして捨ててしまった人がいたのです。

たった一人で配達している場合も多いようなので、労働量を測るのは難しいかもしれないけれど、歩合制にすると色々なところにひずみが出ます。

真面目に働いている人が泣くことになりますよね。

当日配送されている大量の荷物の中で、本当にその日に届かなければならないものはどのくらいあるのでしょう。

フランスの雑誌には、よくどのように家事の時間を節約するかという記事が載っていました。

賢いやり方として必ず書かれていたのは、買い物を計画的に、まとめてするというものでした。

ある人は、週末しか買い物をする時間がないので、一週間に必要なものを全部メモします。
そして開店時間にスーパーに向かいます。
レジで並ぶこともなく悠々と買い物を済ませ、残りの一週間は殆ど買い物をしません。
つまり、一週間分の献立を週末にだいたい立てておくということです。

毎日買うのはバゲットくらい。

もちろん、フランス人がみんな賢く時間を使っているわけではありません。
そうじゃないからこそ、雑誌で特集が組まれるわけです。

日本よりずっと少ないですが、フランスでも休日を返上して働いている人もいます。
知人の雑誌の編集者は土曜日の夕方しか買い物の時間がないと言っていました。
やはり一週間分の買い物をその時にするそうです。

アメリカ人も車で一度に大量の買い物をすると聞いたことがあります。
アメリカ人もフランス人も、冷凍や缶詰の野菜をたくさん使うということもあるでしょう。
私自身はあんまり計画的な人間とはいえないし、新鮮な食材が欲しいと思うけど、買い物は一週間に2回くらいにまとめたいと思っています。
傷みの早い食材から先に食べればいい。

仕事やプライベートで、どうしてもその日に必要なものがないことに突然気づく、そんなことも時にはあるかもしれません。
でも、そう頻繁には起こらないはず。

人間あんまり安楽になると、早くボケちゃうかもしれませんね。
忙しい毎日を切り盛りするのも工夫次第。

お客様の必要ではなく、お客様のわがままにどこまでも応えようというのはもう限界なのでしょう。

日本の某デパートの重役室で秘書をしてた友人からこう聞いたことがあります。
入社したときの研修で、お客様に足を踏まれても「ありがとうございます」と言えなくてはいけないと習ったと。

人間としての平等まで捨てることはないのでは。

お客様は神様ではありません。

フランスでは、客よりも働いている人の方が偉そうな態度を取ることもあり、ちょっと違うんじゃないかと思いましたが・・・
両極端ですね。

日本の顧客サービスはすばらしい。
自分が客だったらどうしてほしいか、と相手の立場に立つことで良いサービスが生まれます。

お客さんの方でも、働いている人の立場に立たないと、便利なサービスはなくなっちゃうかもね。

「労働環境の改善が必須で、業界を挙げて取り組む必要がある」という日本通運次期社長、斎藤充氏の言葉を歓迎したいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿