2017年6月25日日曜日

テロ等準備罪、海外の反応 - アメリカCNN まとめ

アメリカCNN、6月15日付インターネット版
By Emiko Jozuka & Ben Westcott
”日本、テロ新法で自由抑圧と非難を浴びる”

この見出し、今テロ新法と訳しましたが、原文ではterrorismという言葉は使っていません。
terrorという言葉を使っています。

terrorというのはterrorism(テロ、テロ行為)よりもずっと意味が広く、元々は恐怖ということです。
見出しにこの単語を使ったことで、記者は、この新法こそが実は恐怖だというニュアンスを盛り込ませているのでしょう。
また、政府が恐怖を煽ってこの法律を正当化したという記述も出てくるので、含みのある表現です。

抑圧と訳した単語はstifle
抑えるという意味にもなりますが、窒息させるとか、息の根を止めるという意味にも使われます。
強く、具体的なイメージを持った言葉です。

本文では、
日本弁護士連合会からも国連の特別報告者からも批判を受けていたが、安倍晋三総理大臣が率いる過半数を占める連立政権により、可決されたとあります。
安倍氏が語っていることも紹介しています。
”「テロ準備を罰する法律が制定されました。」
「国民の命や財産を守るために、この法律を適切に、そして効果的に使いたいと思います」”
(これは日本語を英訳したものを再び和訳しています)

続いて、5月18日付の日本政府への手紙の中で、国連プライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が書いた内容を紹介。

”法案があまりにも幅広く、人々が「計画」したとして逮捕されうる犯罪があまりにも多岐に渡っている。
ケナタッチ氏は「何が犯罪の「計画」に当たるかの定義があいまいであり、恣意的に適用される恐れがあることに懸念を持っている。(・・・)法案に含まれている犯罪があまりにも多岐に渡っていて(・・・)テロや組織犯罪と何の関係もないものが含まれている。」と述べた。” 
「事実上警察権力を拡張することに」という小見出しの後には、

”新法は、放火から著作権侵害まで277の犯罪の計画を違法とする。”「事実上、人々を取り調べ、監視する警察権力の拡張につながります」という上智大学の教授の談話を紹介。

CNNの記事はまだ続きますが、ここで一言挟ませてください。

犯罪の準備段階で監視することができる、とだけ聞くと、何だか良いことのようにも思えます。
テロや犯罪を未然に防ぐことができたら、これほどすばらしいことはありません。
計画と実行では罪は違う(はず)だし、犯人にとっても、実行しないで捕まえてもらえればいいことではないか?
なんてね。

しかし、この準備とか計画って、どんなことを言っているのでしょうか。
すでに日本では、銃を所有することは禁じられています。
隠し持ってるだけで逮捕されます。
ナイフだって刃渡り何センチなどの決まりがあります。
火薬類取締法というものもあります。
毒物劇物取扱法とか、ウィキを見ても色々出てきます。

「犯罪の計画」と今回言われているのは、そういう明らかなことではないのですね。

だから国連の特別報告者も「あいまいだ」「恣意的な適用につながる」と懸念を示しています。

日本丸はどこへ向かっているのでしょうか。

最後の小見出しは、
"民主主義に手錠が掛けられる "

手錠をかける、原文はin hand cuffs
カフスから来た表現です。
直訳すれば「民主主義に手錠をかける」
民主主義を捕まえてしまう、という意味になります。

アジア学権威のキングストン教授がCNNに語った言葉です。

"「政府は市民の自由を抑圧し、民主主義に手錠をかけることを正当化するために、更なる恐怖を煽ってきた」と教授は語った。

「政府は警察権力を拡張し、民主主義社会においては犯罪とされないことを犯罪にしようとしている。」”

記事を原文で読みたい方はこちら。

http://edition.cnn.com/2017/06/15/asia/japan-abe-anti-conspiracy-bill/index.html

0 件のコメント:

コメントを投稿