2014年5月23日金曜日
イースターの卵
イースターというと、キリスト教の復活祭というイメージが強いですが、春のお祭りは、イエス誕生の前から、ユダヤの民が行っていたものです。聖書では「過ぎ越しの祭り」と訳されていますね。
そして、卵をきれいに飾って贈る習慣は、それよりもさらに昔からあったようです。
アフリカでは、6万年前のものと見られる、彩色したダチョウの卵が見つかっています。また、古代エジプトやシュメールの墓からは、動物や植物の絵、幾何学模様で飾られたダチョウの卵が発見されています。
古代エジプトやペルシャでは、春になると、きれいに描いた卵を贈り物にしたそうです。
人々は卵から新しい命が出てくるのを見て、再生のシンボルとしたのでしょうね。
ケルトの人々は、彩色した卵を、女神エオストルに捧げたと言います。エオストルが英語のイースターの語源となっているという説もあります。
キリスト教では、卵はイエスの蘇りを象徴しています。19世紀まで、子供たちは、タマネギの皮やスミレの花、ハーブを入れたお湯で卵を茹で、色を付けていました。
ゆで卵を庭に隠し、子供たちが探す‥こんなイースターの遊びは、スヌーピーのマンガや童話でおなじみですね。
今ヨーロッパでは、ゆで卵ではなく、チョコレートの卵やチョコレートのうさぎ、ひよこ、にわとりを隠す人の方が多いようです。一体いつからゆで卵がチョコレートになったのでしょうか?
1847年、カカオバターとカカオの粉、砂糖を混ぜて暖めた、どろっとしたクリームのようなチョコレートが考案されました。これを型に入れると、冷めてかたまり、食べるチョコレートになります。それ以前は、チョコレートは飲みものとしてのみ消費されていました。
そうすると、卵に穴を開けて中身を出し、代わりに穴からチョコレートを入れて固めるのが流行り出しました。それが、イースターのチョコレートの始まりなのですね。
今年のイースターは、明日4月20日。都会では庭の無い家庭が多いため、公園で卵狩りをする人もいます。イースターが終わって何日も経った後、公園で遊んでいると、草むらの中から誰も見つけられなかったチョコレートが出てきたりするのも、ご愛嬌です。
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