2017年1月8日日曜日

ガレットデロワをフランスではどう楽しむ?



前回の記事で、ガレット・デ・ロワの由来を少し書きました。

ガレット・デ・ロワは、年が明けて家族や友人が集った時に、一緒に味わうものです。

そして、味もさることながら、誰がフェーヴをあてるかな、という他愛もない遊びをみんなで楽しむものです。

まず丸いパイ、ガレットを人数分に切り分けます。
その後どう配分するかは、その時に応じていろんなやり方があります。
例えば、子どもがいる家庭では、子どもがガレットを見ないよう、テーブルの下に潜り込みます。
親は片手にナイフを持ち、片手でガレットが入ったお皿を回します。
子どもが「ストップ!」というと、皿を回すのをやめ、ナイフでガレットに触れます。
「これは誰の分?」と親が聞き、子どもが「○○の分!」と答えます。
そうやって、みんなに配分されるまで続けます。

みんなのお皿にガレットが乗ると、フェーヴが入ってるかも、と用心深くパイをかじります。

陶器でできたフェーヴをまともに嚙んだら、歯が欠けてしまいますからね。

フランス北部、ベルギー、スイス、ルクセンブルクなどで盛んなガレット・デ・ロワ。

キリスト教で東方の三博士が幼子イエスを見つけたとされる1月6日頃に食べることになっています。

日本語の聖書では三博士ですが、フランス語ではロワ・マージュ rois mages。
占星術師、賢者を意味する言葉ですが、ロワ(王様)という言葉が入っているのですね。

それにしても、フェーヴが当たった人がその日の王様とか女王様になるという風習が、三博士のイエス礼拝とはどうもつながらない。

で、ちょっと調べてみると、実はローマ時代に起源があるようです。

年の暮れや新年に、使用人や奴隷を一人選んで一日の王様にするというイベントがあったそうです。

そして、誰が王様になるかは、お菓子の中に隠したフェーヴで決めたとのこと。

キリスト教会は当初、異教徒のお祭りをキリスト教徒が行うことに難色を示したのだとか。
中に入れるフェーヴを幼子イエスの形にして、東方の三博士がイエスを見つけ出したことに関連付けることで、教会はガレット・デ・ロワを認めたそうです。

今のような陶器のフェーヴが初めて作られたのはフランス革命の頃。
幼子イエスの代わりにフランス共和国を象徴する帽子の形が使われました。
同じ頃、ガレット・ド・ラ・リベルテ(自由のガレット)というものも登場し、フェーヴは入れず、王様も決めないガレットだったそうです。

ベルギーでは、フェーヴにスマーフが入っていたこともあります。

フェーヴ、フェーヴと説明なしに書いてきましたが、フェーヴとはそら豆のこと。
たぶん最初は乾燥した硬い豆を使っていたのでは。

歴史は流れ、価値観は変わっても、おいしいものと人々の遊び心は無くならないのですね。


<広告>
全国の名産・特産品・ご当地グルメなら【47CLUB(よんななクラブ)】


関連記事

0 件のコメント:

コメントを投稿