2017年11月3日金曜日

子どもの自殺増加、日産、スバル不祥事、数字が語るのは何?



かつてソ連の崩壊を予告したフランスの学者、エマニュエル・トッドは、何を根拠として正確に推測することだできたのだろうか。

その一つは乳児死亡率だったと言う。

当時のソ連政府は多くの数字を偽っていたが、当初、乳児死亡率は隠さないでもいいと考えていたようだ。
直接国力に繋がる数字だと思われていなかったのだろう。

政府も途中でヤバいと気づいたのか、乳児死亡率を公表しなくなる。
そこで新ためて、あの数字は本当だったのだとドットは思ったそうだ。

乳児死亡率は、実は社会情勢全般に敏感に反応することを彼は知っていた。
この数字と、その他の断片的な情報から、彼はソ連の崩壊を予測することができたそうだ。

ドットの考え方を、先週の様々な国内ニュースに当てはめるとどうなるんだろう、と思う。
選挙が終わって数日経ってから発表されたのは、いじめの増加や子どもの自殺率の増加。

数字の上でいじめが増加していることは、調査の仕方にもよるかもしれない。
これまでいじめとして認定されなかったことが、いじめと認定されるようになったとしたら、かえって良いことかもしれない。
「いじめられた子がいじめられたと感じればそれはいじめだ」とする教育現場も現れている。

しかし、自殺率の場合はそうはいかない。
自殺は自殺である。

これに、大企業の不祥事が加わる。
これまでも大企業の不祥事はいくらでもあったが、今回のはモノづくりの根幹に関わるような不祥事である。
しかも、日本の代表的な産業で。

もちろん、日本が旧ソ連のような崩壊の仕方をするはずはない。
今のところ数字が明らかになるだけどんなにマシなことか。

選挙になると、与党は現政権の成果を強調し、野党は欠陥を強調する。
しかし、喧しい言葉の向こうに厳然としてあるのは、恐ろしい数字である。

株価という数字が上がったからといって、喜んでいていいのだろうか。
トランプ大統領が当選した翌朝も、アメリカで株価は上がった。

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