2017年11月4日土曜日

フラリーマンも使いよう


フラリーマンという新しい人種が脚光を浴び、一部にこれを批判する動きもある。

仕事が早く終わったら、真っ直ぐ帰って家事を手伝うべきだという主張である。

私は、フラリーするのは、やり様によっては家族のためにもなると思う。

もちろん、女性の方もフラリーしたければ出来るというのが前提だ。 

フラリーするのは遅くまで飲んでいるのとは違うし、 日曜日に接待ゴルフをするのとも違う。

職場と自宅とを真っ直ぐ往復する代わりに、ちょっと道草をするということだろう。

自分の話をしよう。

子どもがまだ小さい時、フランス人の夫は仕事から真っ直ぐ帰る人だった。

そして、仕事のストレスやなんかも全部、真っ直ぐ持って帰ってくれた。

出かける前も、いつもピリピリしていた。

さらに、子育てに「積極的に」参加し、何にでも口を出した。

 元々神経質なタイプなので、どんなに苦痛だったかはご想像にお任せしよう。

途中でちょっと寄り道して、少しは良い機嫌で帰ってくれたらどんなにいいかと思ったものだ。

しかし夫は、そんな出費は無駄遣いだと思っていた。

自営業なので、昼間もいることが多かった。

赤ん坊が自分で食べようとしてこぼそうものなら大騒ぎをするので、子どもの自主性を育てようと思っていた私としては、やりにくかった。

ある日、子どものおしめがもう少しで取れようとしていたときのことである。

間の悪いことに、夫がいる時に子どもが粗相をしてしまった。

「俺が片付ける!」
夫は叫んだ。
さらに、子どもに向かって
「お前はまだおしめが取れる準備なんて出来ていないんだ!!!」

子どもがおしめを卒業するまでに、それから多くの月日が流れることになったのは言うまでもない。

数ヶ月経った頃、私は子どもに言った。

「あのね、パパはおしめが取れたら喜ぶよ。」
すると、子どもは答えたのである。
「違うよ。パパはね、僕がおしめ取るのがイヤなの。」 

私は子どもと話し続け、なんとか「誤解」は解けたようだった。
それからしばらくして、おしめは取れたから。

今私は仕事と家族のことで、良いバランスを探して四苦八苦しているのだが、仕事でストレスが多かった時は、ちょっと座って一人でお茶を飲んでから帰るようにしている。

1分も惜しんで必死で家に帰ってくると、家族につまらないことで当たってしまう自分に気づいたからだ。

夫も妻も、父親も母親も、聖人でないならば、自分の時間を持つことに罪悪感を感じる必要はないと思う。
もちろん、いつもそうできるわけではない。
お互い相手が一息つけるよう、調整するのも必要だ。

ただ、自分に全く余裕がなければ、家族にとってよくないということは知っておくべきだろう。
相手がホッと一息ついてくれることが、自分にとってもいいことだということも。

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