2017年11月25日土曜日

髪染め強要過去にも

持って生まれた髪が茶色っぽいことで学校から髪染めを強要されたという話。

そっくり同じような話を知人から聞いたことがある。

私の直接の知り合いではなく、知人のお友達の娘さんの話だった。

彼女の場合は、なんと学校で校長と担任が彼女の髪を染めたということ。

それ以前は皆勤賞を貰うくらいだったのに、ショックで学校に通えなくなってしまったという話だった。
確か、今から10年くらい前のことだった。

「どう思う?」
と聞かれて当時私が言ったのは、
「しっかりとお子さんに寄りそうこと。
彼女には何の非もないということをよく話してあげること。
親が彼女の味方だということを、彼女が疑いなく感じられるようにすること。
必要なら転校して環境を変えるのもアリ。」

親御さんは教育が専門の弁護士さんに相談したとのことだった。

その後今回のように大きなニュースにならなかったことを見ると、和解が成立したか、当事者であるお嬢さんが更に傷つくのを恐れ、裁判にはしなかったのだろう。

だとすると、似たような事件は他にも隠れているのではないか。

前世紀には、ご両親が国際結婚などで生まれつき髪が茶色っぽいお子さんが、学校で問題にならないよう髪を黒く染めているという話も聞いた。
同じ頃、英語がネイティヴだが、ネイティヴの発音で教科書を読むとからかわれるので、学校では日本人アクセントで読まなければならないという話も聞いた。

その後「国際化」が叫ばれるようになり、このような珍事は減ったのかと思っていた。

BBCのニュースで、サッカー選手を真似て髪を剃った男の子が停学をくらったというのがあって、日本では髪染め、イギリスでは髪型だね、なんて呑気な反応もあるようだが、これ、ちょっと違うんじゃないか。

問題になったイギリスの小学校では、規則で一定の髪形や髪染めが禁止されていたという。

イギリスの事例では、持って生まれた髪の色まで禁止されていたわけではない。

髪形や髪染めについて学校で規則を設けること自体がどうなのかは別にして、持って生まれた髪の色や肌の色を禁止されたわけではない。

髪を染めることを禁止するのではなく、髪染めを強要するというのは、「規則が厳しすぎる」というだけの問題ではない。

持って生まれた体の特徴を否定しておいて、何が表現力だ、何が読解力だ、何が作文力だ、何が今後は一人一人の考える力を大切にします、だ。

私はここで、日本の教育は最低だ、などと十把ひとからげに言うつもりもまたない。
髪染めの強要なんて想像もできない学校も、日本には多い。
生徒の人権や個性を尊重する教師や校長もいる。

ところで、私が知人に聞いた話もたまたまなのか、関西での出来事だった。

今回髪染めを強要した教師や校長を庇うつもりは全くないが、この事件の背後に何があるのかも、きちんと見る必要がある。

教師や校長の行動は、個人的な狂気に基づくだけなのか。
それとも、教師や校長自身、他の誰かから圧力を掛けられていたという事実はないか。

それを明らかにしなければ、同じような事件はまた起こってしまうだろう。


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