2014年10月10日金曜日

ノーベル文学賞2014

2014年度ノーベル文学賞、フランスの作家パトリック・モディアノに‥

周囲のフランス人の反応を見ると、驚いているという感じです。9日当日は、番組を急遽変更するテレビ局があったり、翌10日の朝刊にはノーベル文学賞のことは一言も無かったり、メディアの反応もバタバタしています。

ノーベル賞の関係者は、発表前に作家本人と連絡を取ることができなかったとのこと。スエーデンで文学賞の発表があった時、モディアノ本人も知らなかったようです。

1945年生まれ、1968年に作家デビュー、その10年後には、フランス国内で最高の栄誉であるゴンクール賞を受賞。ノーベル賞では、第二次世界大戦下のパリを描いた約30篇の小説が評価されました。

フランス人のノーベル文学賞受賞者としては15人目。(この人数には、受賞時にフランス国籍を持っていても、フランス以外で生まれた作家も含まれているため、フランス生まれの作家というリストの場合、数が異なります)

これまでのフランス人受賞者の中には、ロマン・ロラン、アンリ・ベルグソン、アンドレ・ジッド、アルベール・カミュ、サン・ジョン・ペルス、ジャン•ポール・サルトルなどがいます。(ただ、サルトルは受賞を拒否しましたね。カミュが受賞した時さんざん批判したのですから、自分が受け取るわけにはいきませんよね。)

私は時々思うのですが、「文学賞」ではなく、もっと幅を広げて「文化賞」ということにした方が良いのでは、と。これまでの歴史を振り返れば、世界に大きな影響を与えた芸術家は作家以外にも大勢います。画家でも音楽家でも演出家でも、その他の分野でも良いということにすれば、ピカソは確かにノーベル賞を取ったでしょうし、カザルスがノーベル賞を取り損なう(平和賞に推薦されていました)こともなかったでしょう。もちろん、ピカソはお金はもう十分持っていたわけですが。

また、平和賞は、ノーベル賞誕生から今日に至るまで、重要な役割を果たしてきましたが、それに加えて、環境賞もあるといいのでは。野生動物の保護や異常気象解決のために、優れた貢献をした個人や団体を励ますという趣旨で。

ダイナマイトを発明し、「死の商人」と呼ばれることに苦しんだノーベルの富と遺言によって創設されたノーベル賞。1901年に最初の授与式が行われてから、人間の社会にも自然界にも、大きな変化がありました。

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