2014年10月21日火曜日

ハロウィーン、なぜカボチャ?

フランスやベルギーには、ハロウィーンにカボチャで提灯を作る伝統はありません。でも、我が家では子供が幼稚園の時から作ってます。

こちらでは、学校で工作をする機会が殆どありませんし、子供にも細工しやすいカボチャは、畑からの嬉しい贈り物です。

でも、ずっと昔は、カボチャではなく、カブなどで作っていたそうです。考えてみれば、アメリカ大陸と出会う前のヨーロッパには、ジャガイモもトマトも、そしてカボチャもなかったのですから、当たり前といえば当たり前ですね。

ハロウィーンの行事というと、フランスでは、アングロサクソンの国から来たと思っている人が多いようです。ところが、かつては、フランスのブルターニュ地方やベルギーでも、甜菜に穴を開けて人の頭のように作り、中に蝋燭を入れるという習慣があったそうです。

甜菜を収穫するのが、ちょうどハロウィーンの頃で、それと同時に一年の畑仕事はほぼ終了。子供たちは、取れたばかりの甜菜で恐ろしげな頭を作り、窓や墓地にならべて、道行く人を怖がらせて楽しんだとか。

さて、なぜジャック・オ・ランタンというのでしょうね。アイルランドの昔話が元となっているようです。

むかしむかし、ジャックというケチで自分のことしか考えない男がおりました。ある日、ジャックは酒場で悪魔に出会います。

悪魔というものはいつもそうですが、魂をよこせとジャックに迫りました。ジャックは、もう少しで悪魔のいいなりになりそう‥というところで、 「契約にサインする前に、一杯酒を飲ませろ」と言います。

悪魔は、まあ良かろうと、6ペンス硬貨に変身。抜け目のないジャックは、すかさず硬貨を財布にしまって固く紐を閉めてしまいます。財布には銀の十字架が付いていたため、悪魔は魔力を使うことも元の姿に戻ることもできなくなり、「一年の間ジャックに魂を請求しに来ない」という条件の下、ようやく財布から出してもらいます。

さて一年後。ジャックは田舎道のりんごの木のそばで悪魔に会います。悪魔はもちろん魂を要求。ジャックはしきりと考えるふりをした後で、「わかったよ。でもその前に、りんごを一つ取って、俺にくれないか。」

悪魔がジャックの肩に乗り、りんごの木の枝にぶらさがると、ジャックはすかさずナイフを出して、木の幹に十字を刻みます。

またしてもまんまと動きを封じられた悪魔は、もう決してジャックの魂を取らないという約束をさせられました。

さて、そんなジャックにも死の時が訪れます。天国に入るのを拒否され、地獄に入ることさえ悪魔に断られたジャックは、最後の審判の日までさまよい続けることとなりました。やっとの思いで悪魔に分けてもらった燃えさしを、提灯代わりのカブに入れて‥

ジャックが死んだのは、ハロウィーンの日だとされています。カブがカボチャに変わったのは、1845年から1850年の大飢饉の時、多くのアイルランド人がアメリカに渡ってから。カブよりも大きいし、細工もしやすいからですね。

カボチャさえあれば簡単に作れるジャック・オ・ランタン。多くの子供たちの心をとらえ、秋の楽しみが増えたのでは。

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