2017年3月21日火曜日

フランスの高校で起きた発砲事件、校長の冷静な対応が功を奏す

もっとひどい事件になる可能性がありました。

10人が軽傷を負っただけで済んで、むしろ良かったと言うべきでしょう。

3月16日木曜日、フランス南部の町グラスで高校生が学校に猟銃を持ち込み、発砲しました。

フランスでも日本と同じように、一般の人が武器を持つことは禁じられています。

犯人は両親か祖父母の猟銃を持ちだしたようです。

金曜日になって、校長はテレビカメラの前で一部始終を語りました。

「生徒が一人武装して学校に入ってきたと聞き、すっとんでいきました。彼は中央階段の近くにいました。何をするつもりか尋ねると、あなたを殺したくはない、他の奴らを殺したいんだと答えました。」

テロではなく、数人の生徒に激しく恨みを抱いていたようです。

校長は少年と話をしようと試みます。

「武器を取り上げようとは思いませんでした。体力的に私にはできないと思ったからです。私は彼に近づいて行きました。撃たないだろうと思いましたが、撃ったんです。」

校長は腕に軽いケガを負いました。

現場にいた生徒の一人によると、校長はなおも対話を続けようとしましたが、少年を落ち着かせることができないと見て取り、助けを呼びました。
 
実は去年の10月に、学校では危険人物を封じ込める訓練をしていました。

非常時に備える訓練として、政府が学校に要請して行われているものです。

最近は日本の学校でも、不審者が侵入した場合を想定して、似たような訓練をしているようです。

訓練の賜物か、校長の呼びかけに応じた教員と生徒による封じ込め作戦は功を奏し、死者や重傷者が出ないで済みました。

校長に勲章をという声もありますが、校長本人は、自分は英雄などではない、介入した一人にすぎないと強調しています。今の優先事項は、勲章なんかより学校の日常を取り戻すことだ、と。

私の友人で、北フランスで高校の英語の教師をしていた女性がいました。

最初に赴任したのは比較的貧しい地域にある学校で、かなり荒れていたそうです。

ある日、体の大きい男の子たちが激しいケンカを始めてしまい、彼女ともう一人の若い女性の教師が必死で止めていたら、校長が通りかかったそうです。

ところが、ケンカに気づいた校長は、くるりと背を向けて今来た道を引き返してしまったとのこと。

フランスの校長先生にも色々な方がいらっしゃるようです。

 

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