2017年7月22日土曜日

ポピュリズムはなぜ批判されるのか


大衆に人気があることは悪いことではない。

全てのアートを全ての人が理解する必要はないけれど、政治は基本的に全ての人のためのものだ。
できるだけ多くの人に分かるよう説明するのは政治家の義務だろう。

ただ、複雑な問題を分かりやすく解き明かすのと、複雑な問題を単純化してしまうのは、全く別のことだ。
分かりやすくなったところで、問題の本質が変わってしまったら、説明したことにはならない。

政治的な意図をもってつく嘘をデマゴギーという。

アメリカのガーディアン紙によれば、アメリカの歴史の中では、ポピュリズム的な傾向がデマゴギーへとスライドしたことが多く、民主党も共和党もポピュリズムにウンザリしていたという。

そこに新たなポピュリスト、トランプが現れ、大統領となってしまったのだった。

ポピュリズムの特徴の一つは、本当に可能で、しかも実効のある政策を打ち出せない点にある。

問題を単純化して敵を作ると大衆は盛り上がるのだが、その先が無い。

もう一つの問題点は、常にマイノリティーが犠牲になるという点だ。
「私たち」の同質な集団が、「私たち」とは異なるものを排除しようとする。

そして、トランプ大統領がメディアと対立しているように、あらゆる社会的な制度や団体への不信感を掻き立てる。
軍隊と警察だけはなぜか別で、この二つだけはポピュリズムに祭り上げられる傾向にある。

このような傾向はポピュリズムが現われる度に見られたことで、だから識者はポピュリズムを警戒するというわけだ。

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