2017年10月2日月曜日

日本のいじめとフランスのいじめはどう違うか -2-


前回の記事で、「いじめられたことがある」と答えた子の割合が日本よりフランスの方が多いにもかかわらず、自殺にまで至るケースは日本の方が多いと書いた。

日本で自殺が多いという話題になると、決まって出てくるのが自殺観の違いである。

キリスト教の国では自殺は罪と見做されるが、日本ではそうではないから踏み切りやすいのだという。

それも少しはあるかもしれない。
かつてヨーロッパでは、自殺はタブーであったため、誰かが自殺しても家族が事実を隠すこともあった。

今は、隠すことは少ない。

数年前のことだが、技術者が上司のパワハラを苦に飛び降り自殺をしたとニュースで聞いた。

同様の事件は日本よりはずっと少ないようである。
しかし、人は本当に追い詰められたとき、文化の違いに関わらず、死んでしまうことがあるのだ。

だとすれば、日本にいじめを苦に自殺する子どもが特に多いということは、日本には本当に子どもを追い詰めてしまう類のいじめが多いということだ。
同じいじめでも、逃げ場の無い状況になってしまうことが多いということだ。

良いいじめと悪いいじめなどがあるはずはない。
いじめはどれも過酷だ。
それでも、生き延びれば人生を取り戻せる可能性がある。

フランスで子育てをした私は、フランスでもいじめが恒常化していることを知っている。
そしてそれは新しいことではなく、何世代にもわたって続いてきたことだそうだ。

それでも、自殺にまで至るケースが少ないのはなぜか。
私にはいくつか思い当たることがある。

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