2018年1月27日土曜日

ウディ・アレンとは誰だったのか -1-



ウディ・アレンとは誰だったのか。

と、過去形で語ると、彼を擁護する人からも批判する人からも叱られてしまうだろう。

一方では、彼は今も映画監督として活動を続けるアクティヴな存在であり、他方では、彼に対する告発は未解決で、終わったわけではない、と。

それでも、これまでのところ、ウディ・アレンとは誰だったのか。

彼の映画を見るのは、大抵の場合楽しい体験だ。 

笑える映画から深刻なテーマまで、初期の作品から最近のものまで、彼の作品に共通しているのは目の付け所の良さである。 

映画を作り始める前、まずはギャグ作家として、次いで放送作家として、さらにコメディアンとして成功したのも、目の付け所や物の見方が独特だったからだろう。

独特であるだけでなく、「待ってたよ、こういうの。」と多くの人に共感できる要素があった。

ユーモアを産む要素には色々あるだろうが、その一つに、同じ物事を角度を変えて見るというのがある。

そういえば、2005年に発表した映画に『メリンダとメリンダ』というのがあった。
一人のヒロインの同じシチュエーションから始まる二つの別々の物語、喜劇と悲劇が並行して語られる。

ギャグ作家、放送作家としてスタートするために親戚のコネもあったらしいが、自らの才覚とハードワークによって世界に認められウディ・アレン。

結果として映画産業で大きな権力を持つこととなった。

家族や友人が権力者だとか、資産家の家に生まれたから権力を持っているわけではない。

それでもその権力が、彼を告発の届きにくい存在としてきた。


<広告>

0 件のコメント:

コメントを投稿