2016年6月21日火曜日

山羊を飼っていた伯父が入院



伯父が危篤だと聞いた。

ショックはなかった。伯父は確か90近いし、母の兄弟の中で一番年上だ。来るべきものが来てしまった。

伯父は農業を営んでいて、私が小さいときは山羊も飼っていた。山羊はお金のために飼っていたのではない。伯父の家では、毎朝搾りたての山羊の乳を飲んでいた。

都会に住んでいた私にとって、伯父の家に遊びに行くことは、最高に楽しいことだった。家や庭、畑の中を自由に歩き回り、草を引っこ抜いて山羊にあげてみたりもした。

(冒頭の写真はその時のものではありません・・・写真がなかったので、無料サイトからダウンロードさせていただきました)

伯父の子どもたちは私よりずっと年上で、一緒に遊ぶことはあまりなかったけれど、とても優しかった。

私と年が近い他のいとこたちは、やはり大きな町に住んでいたので、伯父の家で過ごすのは、ちょっとした冒険だった。みんなは山羊の乳が苦手だと言っていた。私は大好きだったけど、なんとなく言えなかった。

ずっと後になってフランスで暮らしていた時、私は思う存分山羊のチーズを食べることになる。フランスでは山羊の乳も手に入りやすい。大きなスーパーでも売っている。でも、もちろん、伯父の家で飲んだ搾りたての乳には遠く及ばない。

山羊の乳の方が牛乳より体にいいという話も聞いたが、本当だろうか。

山羊には、他にもいいことがあった。伯父の家では、野菜の皮やトウモロコシの芯を山羊にあげていた。山羊がトウモロコシの芯をバリバリかみ砕くのを、私は感心して眺めていた。

だから、当然、ゴミの量は、都会の私の家よりずっと少なかった。

当時、すでにごみ問題が深刻化していた。私は家に帰ると、母に山羊を飼ってはどうかと言った。私はすばらしいアイディアだと思ったが、母はそうは思わなかったらしい。



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