ニューヨークタイムズ紙の記事によると、北アイルランドとスコットランドではEU残留に賛成している人が多く、イングランドに反EU派が多いそうだ。もちろん、ロンドンは例外である。
イングランドのEU離脱派は、自らのアイデンティティーを、ヨーロッパ人でもなければイギリス人でもなく、イングランド人だとする人が多いという。
英国は、かつて複数の王国に分かれていた。そのことを私たちは、スコットランドの独立問題であらためて思い出したものだ。
そもそもイギリスの国旗は、イングランド、スコットランド、そして当時のアイルランドの国旗を合わせたものだ。ウェールズはといえば、イングランドと合併した時期が早かったので、イングランドの国旗に吸収されたという。
写真の右、赤い十字がイングランドの旗、左の青いバッテンがスコットランド、これに赤いバッテンのアイルランンドが加わって、私たちがよく知っているイギリス国旗となったそうだ。
イングランドの反EU派は、古き良き時代にノスタルジックな思いを抱いているという。ヨーロッパの他の国々から流入してくる人々によって、自分たちの島から何かとても大切なものが失われてしまう、と。
議論は事実よりもむしろ感情に基づいている、とRobert Tombs教授は言う。EUのことを語らず、自分たちのことや、イングランドのことを語っている、と。
過去は美しくなるものである。
日本もかつては多くの国々に分かれていた。日本の中の別の国へ行くには、「脱藩」しなければならなかった。
アイデンティティーは、時代と共に変わる。
今では誰も、自分は長州人だとか、会津人だとは言わない。私たちは、自分たちのことを日本人だと思っている。
しかし、おそらくはそれさえも小っぽけなものなのだ。
宇宙人から見れば。
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