2018年2月2日金曜日

指導死を繰り返さないために - フランスの場合



「指導」が不適切なものとなってしまったり、後で検証が難しくなる原因の一つに、密室の問題がある。

他に誰も見ていないと歯止めが効かなくなる。
事が起こった後では、誰も証人がいない。

フランスの中学高校で教員をしている友人たちは、男性も女性も、決して生徒と二人きりにはならないという。
どうしても一対一で話さなければならない時は、ドアを開けておく。
あらぬ疑いを掛けられないためである。 

幼稚園や小学校でも、放課後や休み時間に生徒に居残りをさせる場合、親の許可を取ることになっている。

日本でも、学習塾などでは生徒と二人きりにならないよう指導しているようだ。

一般の学校でも、何か決まりを作ることが必要なのではないか。

生徒のプライバシーとの関連で難しいこともあるだろう。
先生に内緒で相談したい問題もあるだろう。

それでも、なにか工夫できると思う。

プライバシーといえば、教員の個人情報に関しても無防備なところが多い。

かつてはそれで良かったのかもしれないが、 何らかの規則が必要な時が来ているのかもしれない。

指導死してしまった子の中には、校門で怒られていた子もいると聞く。
他の子が何人も見ていた。

なぜ死んでしまうまで情報が伝わらなかったのか。

子どもたちの声を届きやすくすることも必要だろう。
もちろん、言ったもの勝ちではなく、きちんと調べなければいけないわけだが。

また、教員同士で、他の先生がやっていることに口出せないみたいな雰囲気はないだろうか。

先生同士の議論や授業見学がもっと気軽にできた方がいい。
何よりも教師としての向上につながる。
気軽にできれば普通のこととなり、教師としての自尊心も傷つきにくいのでは。 

かつては保護者の授業見学は一年に一回だけだった。
今は毎月ある。

フランスなどでは考えられない。
フランスでは、学校に入る前は中を見ることができる。
授業を見せるところも珍しいが無いことはない。
が、入学してしまったら最後、自分の子どもが受けている授業を見る機会は皆無だ。
教師と子どもが密室で二人きりになることはないにしても、他の大人が教室に入ることは滅多にない。

学校は、これまでも進化してきた。
これからも、進化していけるだろう。

そこで学ぶ者にとっても、働く者にとっても、安全で有意義な場所へと。


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