2016年7月9日土曜日

ベルギーの友人がやってきた:一緒に日本の学校を見に行こう! - 3 -



私たちはおしゃべりをしながら中学校に着きました。

訪問者としての手続きをして、担任の先生にご挨拶したあと、少し授業を見ることにしました。

といっても、友人たちには日本語がわからないので、見ておもしろい授業にしないと・・・

で、図工室と技術室、家庭科室、実験室、音楽室を見てまわることにしました。

フィンランドにも家庭科があると読んだことがありますが、ベルギーやフランスにはありません。

フランスやベルギーの小学校には、音楽の授業も特にありません。クラスみんなで声を合わせて歌うのは、幼稚園までです。

前にも書いたように、ベルギーには音楽院があって、子どもは無料ですが、小学校に音楽の授業はありません。

フランスにも音楽院はありますが、有料です。

学校が終わった後、わざわざ通わないかぎり、音楽を習うことはありません。

ですから、普通のフランス人は、楽譜が読めません。

楽譜が読めない天才的歌手というものは世界中にいるのでしょうが、一般的フランス人は歌があまり上手ではないようです。

知り合いで、木の十字架合唱団に入っていたフランス人がいました。おかげで、彼は子どもの頃、しっかり歌を習ったようです。「アメリカに行ったら、フランスよりちゃんと歌える人が多いから感心した」と言っていました。

図工の授業も寂しいものです。

たまにあっても、自分の発想で、好きな色を使って自由に描くということはありませんでした。

小学校には、図工の先生や音楽の先生はいません。担任の先生が図工も見ていました。

中学校には、美術や音楽の専門の先生がいます。美術か音楽のどちらかを選ぶと聞きました。

フランス人の友人で中学校の美術の先生をしている人がいます。美術の時間は週一コマだけ、つまり正味1時間もないそうです。

「準備や片づけの時間も入れて?」

「そう。だから、毎回大変よ。その日の課題を説明する時間、生徒が制作する時間、作品を集める時間・・・」

私の子どもが通っていたフランスの小学校5年生の図工の授業は、例えばこんな風でした。

マチスの『ジャズ』を模写する。

子どもは、一番そっくりに描けたというので褒められたものです。

フランスは、美術館を建てたり、フェスティバルをオーガナイズするのは熱心です。でも、子どもたちに絵が描けるとは思っていないようです。

算数や文法ばかりやっていると、あまり能率が上がらないのでは。脳は、やはり色んな部分を刺激した方がいいのでしょうね。

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