2016年7月6日水曜日

ダッカのテロ:ニューヨークタイムズの記事より


7月2日付のニューヨークタイムズに、人質に取られていたレストラン関係者の証言が載っていた。(nytimesの記事)

その中に、アルゼンチン出身のシェフ、ロッシーニさんの話があった。テロリストが入ってきたので、あわてて屋上に逃げたという。ソーシャル・ネットワークを通じて、必死で自分の場所を警察に伝えようとしていたそうだ。

警察は、犯人たちに連絡しようとしたが、犯人たちは、決して応じることがなかったという。

レストランで働いていたバングラデシュ人の一人、Baraiさんは、「犯人たちは、バングラデシュ人に対しては、丁寧に接していた」と言う。

とはいえ、最後にBaraiさんら9人は、一緒に一つのトイレの中に閉じ込められた。

レストランの外では、彼のいとこが固唾を飲んで事の成り行きを見守っていた。

「外の様子はどう?」と、Baraiさんはいとこにメッセージを送った。

いとこは、対テロ特別部隊が突入の準備をしていると伝えた。「すぐはやらないよ。君たちが犠牲にならないように。」

Baraiさんは、「ぼくたちはここにいる。できれば壁を壊して救い出してほしい。」と伝えた。

明け方が近づくと、4フィート(約1,2m)四方のトイレの中で、彼は全員が窒息死するのではないかと恐れ始めた。

「早くトイレに来てほしい。苦しい。」

このメッセージの後、いとこが再び連絡したとき、Baraiさんからの答えはなかった。

いとこは歩道に座り込んで嗚咽をもらし始めた。

後で救い出されたBaraiさんは、犯人たちは最初から死ぬつもりだったらしいと語った。

犯人の一人は、死体を指して、「ぼくたちがここで何をしたかわかるだろ。同じことがこれからぼくたちに起こる。」と言ったという。

2日付けのこの記事には、日本でも報道されたフセインさんの話もすでに載っていた。

外国人の友人たちと一緒にレストランに来ていたバングラデシュの学生である。犯人たちに、行っていいと言われたにもかかわらず、友人たちが一緒に行くのをゆるされなかったとき、自分も残るといって、犠牲になった人だ。

ちなみに、いち早く詳細に成り行きを記したこの記事の終わりには、人名などの間違いを後になって修正したことが記されている。日本の報道の在り方と少し違うのかもしれない。

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