2016年7月12日火曜日

地球の記録20年の写真展「しあわせのものさし」は、稀有な展覧会だ

食と農の博物館で、今おもしろい展覧会をやっています。



ピーター・メンツェルとフェイス・ダルージオは、これまで『地球家族 Material World : A Global Family Portrait』や『地球の食卓 Hungry Planet : What the World Eats』を一緒に出版してきました。

メンツェルは報道写真家としてキャリアを始めた人です。その後、報道写真では撮れない、人々の日々の暮らしに目を向けるようになりました。

例えば、『地球家族』では、国連加盟国から30ヵ国を選んでいます。それぞれの国の中流家庭で一週間暮らし、家族のデーターベースを記録します。

展覧会には、ある家族の写真と一緒に、その家族に関する資料が展示されています。アメリカや日本、モンゴルやマリの家族。

写真の横に、家族人数、住居、所有物、大切なもの、家宝、貯金、宗教、しあわせ度、成功の印などが記されています。

アイスランドの家族は貯金ゼロ。もちろん、家族にもよると思いますが、福祉が充実していると、貯金しておかなくちゃ心配、というノリにはならないのでしょうね。

消費税も日本よりずっと高いようですが、「稼いだお金は全部使う主義」だとか。稼げなくなっても大丈夫だと思えば、ため込むより使いたくなるのかも。

成功の印の欄では、日本やキューバの家族が家を持つことを挙げていました。アメリカとアイスランドの家族は、しあわせな家庭。西サモアでは、男は村の長となること。

しかし、何といっても一番印象的だったのは、ブータンの人の「必ずしも成功しなくてもよい。」

私は、究極の答えに深くうなずいたのでした。

展覧会は9月25日まで。会期中のイベントとして、
8月20日(土)世界の料理/料理教室&試食会 博物館2階 無料
9月17日(土)シンポジウム「しあわせのものさし」ー持続可能な地球環境を求めてー東京農業大学アカデミアセンターにて 無料、18歳以上対象
9月21日(水)ピーター・メンツェル&フェイス・ダルージオ トークイベント
       3×3Lab Future (大手町)にて 有料

博物館へはバス「農大前」が便利です。











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